クラウドインテグレーター(Cloud Integrator)

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クラウドインテグレーターとは

パブリッククラウド上でのシステム構築や運用の代行などを行うのがクラウドインテグレーターです。

物理機器ではなく、パブリッククラウドを利用しているところが、従来の SIer との大きな違いになります。

パブリッククラウドとともに躍進したクラウドインテグレーター

パブリッククラウドとクラウドインテグレーターの始まり

パブリッククラウドとクラウドインテグレーターの始まり

2006 年にパブリッククラウドの代表格である AWS(Amazon Web Services)が登場。

翌 2007 年には IBM が Blue Cloud 計画を発表。2008 年には Google App Engine、Microsoft Windows Azure などが次々と発表されました。

国内のパブリッククラウドサービスとしては IIJ GIO が 2009 年 12 月からサービスを開始。

AWS の日本語のウェブサイトは 2010 年 8 月に公開され、2011 年には AWS 東京リージョン(データセンター)が開設されています。

AWS 特化のクラウドインテグレーターとしては草分け的存在であるサーバーワークスの沿革によれば、2008 年には社内サーバー購入を禁止して Amazon EC2 の利用を開始。

2011 年 1 月に米 Amazon 社より AWS ソリューションプロバイダーに認定、同年 12 月にはアマゾンデータサービスジャパン社から AWS パートナー特別賞を受賞しています。

AWS 10 年の歩み (Amazon Web Services)

IIJ 沿革

サーバーワークス 沿革

パブリッククラウドは AWS ですら、まだ 11 年目(2017 年時点)と歴史が浅く、日本国内では数年遅れて 2009〜2010 年頃から本格的に普及し始めたと考えられますが、いまや大規模構成の構築には欠かせません。

クラウドインテグレーターもパブリッククラウドを利用したシステム構築・運用のプロとして存在感を増しています。

クラウドインテグレーターの分類

クラウドインテグレーターは様々な観点から分類できますが、一番わかりやすいのは AWS 専業か、他のクラウドも手がけているかという分け方です。

AWS とそれ以外のパブリッククラウドを分けて考えるのは、規模(普及度合い)の違いからです。

TechCrunch Japan によると AWS の売上規模は他を圧倒しています。

Microsoft や IBM, Google, そして Oracle や Alibaba までも、クラウドの高い成長率を誇っているが、彼らを全部合わせてもマーケットシェアでは AWS に及ばない。

パブリッククラウドプラットホームにおけるAWSの王座は今後も揺るがず(2017 年 2 月 3 日) TechCrunch Japan からの引用。

IT の巨人達が束になっても AWS を脅かすことはできておらず、その勢力図は当面変わらないだろうというのだから、その強さが伺いしれます。

パブリッククラウドでは他の追随を許さないAWS

パブリッククラウドでは他の追随を許さない AWS

AWS では Web サーバー、データベース、ストレージを始めとして、人工知能、IoT など幅広い分野で利用できるサービスを提供しており、この充実ぶりが AWS 専業のクラウドインテグレーターを生み出す要因の 1 つといえるでしょう。

AWSの製品(2017年6月現在)

AWSが国内で提供している幅広いサービス(2017年6月現在)

AWS 専門のクラウドインテグレーター

AWS 特化のクラウドインテグレーターとしては、次の各社が豊富な実績を持っています。

上記 3 社は、いずれも日本国内でわずか 7 社しか選ばれていない Amazon の APN プレミアムコンサルティングパートナーに選出されており、AWS 特化で大きな実績を残しています。

複数のパブリッククラウドに対応するクラウドインテグレーター

AWS 以外のパブリッククラウドを扱っているクラウドインテグレーターは非常に多く、APN プレミアムコンサルティングパートナーのような基準もないので Serverzine の独断で株式会社スカイアーチネットワークスをご紹介します。

スカイアーチネットワークスは、パブリッククラウドだけでなく、ホスティングサービスやオンプレミスなど、様々な環境のサーバー管理サービスを提供している会社です。

パブリッククラウドに関しては AWSMicrosoft AzureNIFTY CLOUDIIJ GIO など様々なサービスに対応しています。

中国のパブリッククラウドに対応しているクラウドインテグレーター

国家レベルでインターネットが規制されている中国では、技術力だけでなく、中国の法律や独自のネットワーク事情などにも精通している必要があります。

その点に強みを持つのが、株式会社クララオンラインです。

元々は共用サーバーから VPS専用サーバーまでを扱うホスティング会社でしたが、2009 年に共用サーバー事業を売却。

現在は中国を中心としたアジアにおけるビジネスコンサルティングを主軸としつつ、AWS、Microsoft Azure、NIFTY CLOUD などのパブリッククラウドや、自社運用のインフラを利用してシステムを構築・運用。

中国国内では NIFTY CLOUD の基盤を使ったパブリッククラウド鴻図雲(ホンツーユン)」を、富士通クラウドテクノロジーズ株式会社(NIFTY CLOUD 運営会社)と共同提供しています。

クラウドインテグレーターを使うメリット

システムの構築・運用などの経験がない会社だけでなく、エンジニアがいる会社も、次のようなメリットからクラウドインテグレーターを利用する価値があります。

  • 豊富な経験を元に最適なシステムの構築・運用ができる
  • 24 時間体制の保守・運用に対応している(場合がある)
  • 定額課金に対応している(場合がある)

豊富な経験を元に最適なシステムの構築・運用ができる

パブリッククラウドの拡張性や柔軟性を活かしつつ、できるだけ費用を抑えて運用したいという場合、経験豊富なクラウドインテグレーターなら、最適な選択が可能です。

結果として無駄な時間や費用を使わずに、本来の目的を達成できます。

24 時間体制の監視などに対応している(場合がある)

パブリッククラウドで構築したシステムは、誰かが保守・運用しなくてはいけません。

監視システムを導入しても、問題が発生したときに対応するのは人間です。

クラウドインテグレーターは利用者に代わって 24 時間体制で監視・運用サービスを提供している場合があります。

定額課金に対応している(場合がある)

パブリッククラウドは従量課金が基本ですが、請求金額が変動するサービスは国内の企業には敬遠されがちです。

クラウドインテグレーターの中には、従量課金のパブリッククラウドを固定金額で利用できるサービスや AWS のように US ドルでのクレジットカード払いが基本のサービスを日本円での請求書払いにできるサービスを提供している場合があります。

パブリッククラウドによっては、クラウドインテグレーターを介さずとも固定課金での利用が可能です。

SIer(システムインテグレーター)とクラウドインテグレーターの違い

システムの設計・構築・運用などを行う SIer(システムインテグレーター)とクラウドインテグレーターの一番の違いは、物理機器を利用するかどうかという部分です。

通常、SIer が企業向けにシステムを導入するときはサーバーなどの物理機器を利用するため、その選定や調達が必要になり、時間も費用もかかります。

クラウドインテグレーターはパブリッククラウドのインフラを利用することによって、そのような物理機器を用意する必要がありません。

そのため大規模システムを短納期で導入可能です。また使わないときはサーバーを停止させておけば費用は発生しません。

SIer にとっては、インフラが物理からクラウドに変わるだけとも考えられますが、パブリッククラウド独自の仕様などもあるため、専業のクラウドインテグレーターの方が、より経験値が高いと考えられます。

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