ウェブ制作者はサーバー停止のリスクをどうやって顧客に伝えればよいのか

Service Unavailable

どうすればサーバー停止のリスクを顧客に理解してもらえるのか

レンタルサーバーを利用する限りは避けられないサーバー停止リスク

顧客には最初に伝えておくべきですが、きちんと理解してもらえないこともあります。

どうすればわかってもらえるのか、そして障害発生時のトラブルを避けられるのかを考えてみました。

サーバーは常に停止するリスクがある

サーバー障害

サーバーやネットワークの障害は常に発生するリスクがある

あなたがプロのウェブ制作者であれば、レンタルサーバーはデータセンターに設置してあり、ホスティング会社が運用していることは知っているはずです。

サーバーは機械なので予期せぬ故障もあれば、攻撃されたり、人間がミスをしたりして止まってしまう可能性があることもわかっているでしょう。

どれだけ性能のよいレンタルサーバーを選んだとしても、サーバー停止のリスクだけは避けられません。

レンタルサーバーのウェブサイトには、過去実績を元に計算されたサーバーサービスの稼働率が記載されています(過去何ヶ月分を計算したものなのか、いつの時点の情報なのかなどが、不明確な場合があります)。

稼働率が 99.9% なら 8.8 時間、99.99% なら 52.56 分は、いずれかのサーバーが停止していたということです。(365日稼働させた場合)

ホスティング会社が運用するサーバーは数百台から数千台以上にもなるので、それらすべてが問題なく稼働し続けることは事実上、不可能といえるでしょう。

当然、運・不運もあり、レンタルサーバーを数年間利用していて、一度も止まらないこともあれば、1 ヶ月間に何回も停止してしまうこともありえます。

可用性(サーバーが継続して稼働する能力)が高いといわれているサーバーサービスであっても、絶対に落ちないとはいいきれません。

非常に信頼性が高いといわれている Amazon のパブリッククラウドですら、過去に大きな障害が発生しています。

Amazon、EC2の大規模障害について正式に謝罪 10日分のサービスクレジットを提供(2011 年 4 月) ITmedia

2011 年ほどの規模ではありませんが、2017 年にもクラウドストレージサービス S3 で大規模なサービス停止が発生。

AWS S3の長時間サービス停止の原因はエンジニアの入力ミス(2017 年 3 月) ITmedia

国内ではファーストサーバの大規模障害が記憶に新しいところです。

大規模障害のファーストサーバ、「データ復旧は不可能」(2012 年 6 月) ITmedia

このような大規模障害以外にも、サーバーの停止やネットワーク(回線)の接続断といった細かな障害は常に発生しており、今後も間違いなく起こります。

レンタルサーバーの利用者にとって、サーバー停止のリスクは誰もが無関係ではないのです。

なぜ顧客にサーバー停止のリスクが伝わらないのか

サーバー停止のリスク

顧客に伝えるのが難しいサーバー停止のリスク

ウェブ業界での経験が長ければ、サーバーやネットワークなどの障害が原因で顧客のウェブサイトが表示されなくなり、一刻も早く元に戻して欲しいと矢のような催促を受けたという経験があるのではないでしょうか。

しかしウェブ制作者がサーバー停止のリスクを知っていても、顧客には中々そのことが伝わらず、障害が発生したときに大問題へと発展することもあります。

顧客にサーバー停止のリスクが、いまいち伝わらないのには様々な理由があると思いますが、私が考えるのは次のようなものです。


  • 伝えるタイミングが難しい(伝えられない)
  • 顧客と直接取り引きではないので伝えられない
  • 事前にリスクを伝えたのにトラブル発生時には効果がなかった

伝えるタイミングが難しい(伝えられない)

顧客の IT リテラシーが高くない場合、ウェブサイトについて理解してもらうだけでも一苦労です。

時間をかけてウェブサイトの説明をして、ようやく構築に入れるというタイミングでサーバーのことまで説明するのは大変かもしれません。

また「サーバーは障害で止まる可能性があり、これはどうしようもないことです」などということは伝えにくいでしょう。

はっきりと伝えれば難色を示されるかもしれないし、かといって遠回しな伝え方では理解してもらえず、とても悩ましいところです。

サーバーサービスの稼働率は一昔前と比べて高くなっていることから、それほど口酸っぱく顧客に伝えなくても大丈夫ではないかという気持ちもどこかにあるかもしれません。

顧客と直接取り引きではないので伝えられない

例えば広告代理店からの仕事では、顧客とのやりとりは代理店が行い、ウェブ制作者が顧客と話せる機会がないことがあります。

実務的な打ち合わせなどのために顧客と直接話せたとしても、代理店が主導権を握っている案件で余計なこと(本当は重要なことですが)は話せないでしょう。

代理店がサーバーについて理解していて、顧客にもきちんと説明しているのなら、大きな問題にはならないかもしれません。

しかし、いずれにしてもサーバー停止のときにホスティング会社との窓口になるのは、ウェブ制作者ということも多いのではないでしょうか。

事前にリスクを伝えたのにトラブル発生時には効果がなかった

事前にサーバーの仕組みやリスクを噛み砕いて説明し、顧客も理解を示していたのに、いざ障害が発生すると険悪な感じになることもありそうです。

有事の際に冷静に受け止めてもらえないようなら、伝えなくても同じだったのではと思ってしまうかもしれません。

重要なのは顧客との信頼関係とサーバー停止への備え

顧客と信頼関係を築く

顧客と信頼関係を築き、サーバーが停止したときの準備をしておくことが重要

サーバー停止のリスクを顧客に理解してもらうためには信頼関係が不可欠。

信頼関係とは顧客とウェブ制作者との対等な関係のことです。

建前的には顧客とウェブ制作者は対等な立場のはずですが、現実的には対価を支払う側の顧客が優位になりがち。

特に付き合いの浅いうちに打ち解けることは難しく、お互いのことがわかるようになってくるまでには時間が必要なことが多いです。

その分、顧客本位に考えて誠実な対応をしていることを理解してもらえてからは、サーバー停止のようなトラブルが発生した場合にも、より冷静な反応が期待できます。

とはいえ信頼関係を育んでいる間にサーバーやネットワークの問題が発生する可能性もあるので、気長に待っているわけにもいきません。

なのでウェブサイト構築後に運用にも関わるようなら、信頼関係の有無に関わらず、サーバー管理費をもらう必要があるでしょう。

事前説明を行ったうえで、ウェブサイトの運用費にサーバーの管理費用やトラブル対応費用を含めておくという方法も考えられます。

重要なのは顧客に代わって、サーバーやネットワークの障害対応に時間を使うのなら、きちんと対価をもらうべきということです。

今回の記事はすべての状況における対処法を示すものではありませんが、サーバー停止のリスクを顧客にどのように理解してもらうかということについて、少しでもヒントになればと考えています。

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