ウェブ制作者がレンタルサーバーを選ぶ前に顧客に聞くべきこと

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レンタルサーバー選びの前に必要な要件整理

レンタルサーバー選びといえばサービスの価格性能を考えるかもしれませんが、ウェブ制作者が顧客のサーバーを選ぶときは、その前に聞くべきことがあります。

具体的には次のような内容です。


  • ウェブサイトの利用目的
  • 事業の中長期計画
  • プライバシーポリシー
  • BCP(事業継続計画)
  • 最初の段階でかけられる予算
  • ウェブサイトやサーバー保守の必要性

ウェブ制作者は様々な形で顧客のサーバー選びに関わります。どのようなケースがあるかについては過去に詳しく書きました。

ウェブ制作者が顧客用にサーバーを選ぶときのパターン

2017.06.28

顧客からはウェブサイトに関して様々な要望が出てきますが、サーバー側のことを考えずにいわれるがままに実装してしまうと後から取り返しのつかないことになります。

サーバーの知識不足が引き起こすウェブ制作の提案における失敗

2017.07.05

ではサーバー選びの前に確認すべきことについて、詳しく考えていきましょう。

ウェブサイトの利用目的

当たり前ですが、顧客は目的を持ってウェブサイトを利用します。

会社案内のようなウェブサイトで満足してもらえたインターネットの黎明期とは違い、現在では費用対効果が求められることも増えました。

端的にいえば「ウェブサイトを作ったら(活用したら)、いくら儲かるのか」ということです。

もちろんウェブサイトの用途は様々で、必ずしも利益だけが求められるわけではありませんが、ビジネスで使うからにはそのような意識を持つ企業は多いでしょう。

ここで見極めなくてはいけないのが、果たして顧客の要望を叶える最適な手段がウェブサイトなのかどうかということです。

小さな個人経営の飲食店がリピーターを増やしたいのであれば、ポイントカードが向いているかもしれないし、商品販売が目的ならネットショップを作るよりも楽天や Amazon に出店する方がよいかもしれません。

ウェブ制作の相談を受けたときに他の提案をするのは残念かもしれませんが、明らかに他の方法が効果的と思われるのに無理にウェブサイトを作っても結果を出すことは難しいでしょう。

結果が出なければ、最善を尽くしてウェブサイトを作っても、あなたへの信頼感は下がってしまうかもしれません。

事業の中長期計画

目的を達成するためにはウェブサイトを作る(リニューアルする)ことが最適とわかったら、次に確認すべきことは事業の中長期計画。

これから作るウェブサイトが、顧客の事業においてどのような位置づけにあるのかを確認します。

数年後に売上全体の 10% を担うようにしたいとか、ブランディング目的でアクセス数を現在の 10 倍にしたいなど、期待を寄せている場合は先々も考えて提案しなくてはいけません。

ウェブサイト公開時点では共用サーバー程度でよくても、順調に成長したときに現在の性能では足りなくなるようなら、どこかのタイミングで乗り換えが必要であることなどを顧客に伝えておくべきでしょう。

また顧客の語る計画と現実(予算、納期、企業規模など)が乖離していないかなどを確認し、現状では何ができそうかを理解してもらうことも重要です。

プライバシーポリシー

顧客がプライバシーポリシーを重視している場合、それに合致するウェブサイトの制作やサーバーの選定が必要になります。

自社が運用するウェブサイトは、他社との共有スペースにおいてはいけないという規則がある場合、共用サーバーパブリッククラウドは利用できないので、専用サーバーを利用するか、自社内にサーバーを置いて管理するしかありません。

多くの企業がコーポレートサイトを持っているでしょうから、そちらにプライバシーポリシーが掲載されていれば事前に確認するのもよいでしょう。

BCP(事業継続計画)

企業によっては BCP(事業継続計画)を策定しており、これがサーバー選びにも関係する場合があります。

東日本大震災の発生後はサーバーを収容しているデータセンターが、何メートルまでの津波の高さを想定しているかを聞かれることもありました。

データセンターに重要なデータを設置していたり、レンタルサーバーで運用しているウェブサイトの果たす役割が大きいという場合は BCP の確認も極めて重要になります。

最初の段階でかけられる予算

予算の確認が重要なのは当然ですが、ただ金額を聞くだけだったり、提示された数字を鵜呑みするだけではいけません。

ウェブサイトの利用目的や事業の中長期計画を踏まえ、本当に必要な予算を把握することが重要です。

将来的に大きく成長させたいのであれば、ウェブサイトやサーバーはどのようなものが適切で、そこにはどの程度の費用が必要になるのか。

最初にお金をかける場合と、後から増強する場合とを考えた場合、どちらがよいのかということも考えた方がよいでしょう。

顧客の要望が予算におさまればよいのですが、そうでない場合は予算内でできることを提示しつつ、予算を超える提案(要望をすべて実現するための提案)も用意した方がよい場合があります。

窓口担当者が予算内でおさめようと考えていても、決裁権限を持った上司は提案の内容を重視して、予算を超えた提案が認められる場合があるからです。

ウェブサイトやサーバー保守の必要性

CMS やプラグイン、サーバー側の OS やミドルウェアの更新などは顧客側が理解できていないこともあります。

脆弱性がわかっているにも関わらず、ソフトウェアの更新が放置されてクラックされるというのはよくあることです。

顧客側にはそのような保守の重要性を説明し、自身で対応できないのであれば、任せてもらえるよう伝えるべきでしょう。(もちろん保守・運用費をいただくことになります)

レンタルサーバーを選ぶ前に確認すべきことは多い

レンタルサーバーを選ぶ前に確認すべきことが多いということをわかってもらえたでしょうか。

サーバーを選ぶ前の確認というよりは、ウェブ制作を行うときの確認事項になっていますが、サーバーとウェブサイトは切り離せない関係なので当然そのようになります。

ウェブ制作者が自身の利益を優先したり、専門知識のない顧客にいわれるがまま安価なサーバーを選んでしまうのは最悪です。

サーバーに障害が発生して、顧客には事前に伝えられていなかった想定外の不具合が発生すれば信頼を失いかねません。

結果として、その顧客とは長く取引を続けていけなくなる恐れがあります。そうならないためにも、顧客の立場で考えることが重要といえるでしょう。

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